2006年09月24日

白洲次郎 占領を背負った男

白洲次郎 占領を背負った男   北康利著  講談社刊

白洲次郎 占領を背負った男

作者あとがきには次のように書いてありました。
「白洲次郎の痛快なエピソードに触れると誰しも、高倉健主演の任侠映画を見たあとの観客が、肩で風を切りながら映画館を出てくるのにも似た精神の高揚感に包まれるはずである」

僕の読後感もまさしくそのような感じです。終戦後の占領下にあった日本の中で憲法策定からサンフランシスコ講話条約までの7年間の白洲次郎氏の行動の軌跡は特に興味深い。戦後の日本がどのように形づくられていったか、それを知る上でも大変ためになる一書です。
この人がいなかったら、日本の進路もまた少し変わっていたのでしょう。
まさに本のタイトルにあるように占領を背負った男という形容がぴったりです。

この本を読んでやはり考えさせられたのは憲法改正問題です。戦後どのような経緯で憲法が作られていったかという描写には迫力があり、事実を知ることは大切なことだと改めて考えさせられました。

白洲次郎氏のように恰好良い生き方は男なら誰しも憧れますが、誰しもが出来ることではありません。しかし、氏のようにプリンシバル(原則)を持って生きることは誰しもが目指せる事だと思います。プリンシバル・・・いい響きの言葉です。
それにしても白洲次郎氏の人生は鮮やかです。読む進むほどにわくわくする本です。
本の中でも出会えて良かったと思わせる人物はそうそういません。

ところで作者の北康利さんですが、現役の銀行系証券会社勤務で休みの日を利用してこの本を書いたとの事、すごいですね。文章力とテンポが絶妙です。

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Posted by 植木 一夫 at 07:15│Comments(0)おすすめの本
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